2021年11月24日水曜日

ヒバとは

檜っぽい葉っぱの植木をヒバと呼んでいたような記憶があって、正確には(分類学的には)何なのだろう、と調べてみた。

図書館で「検索入門針葉樹」という図鑑を借りてきた。 索引を見てもヒバという名前は出てこない。 検索表の方を見ると、D2なる分類(鱗片状の葉に表裏性があり鱗片葉が小型)に、ニオイヒバ・アオノクジャクヒバ・オウゴンクジャクヒバ・カマクラヒバ・オウゴンシノブヒバ・イトヒバと並んでいる。 ヒノキも入っている分類なので見た目的には合っている。

ニオイヒバ Thuja occidentalis Linn. 北米原産「洋風の庭園に植栽されるドワーフコニファー類にこの仲間が多い」

アオノクジャクヒバ・オウゴンクジャクヒバ・カマクラヒバ ヒノキ Chamaecyparis obtusa Sieb. et Zucc. の園芸品種。

オウゴンシノブヒバ・イトヒバ サワラ Chamaecyparis pisifera Sieb. et Zucc. の園芸品種。

これで終わりと思いきや、さらに「針葉樹の世界」という全体を俯瞰した説明のページがあり、そこに家の土台には「ヒノキやヒバ、ベイヒバが使われ」るという表現が登場する。 ベイマツの伝でいけばベイヒバのベイはアメリカを意味する米だと考えられるのだが、本編に登場しない種を説明無しに出してくるのは流石にどうかと思う。 ちなみにこの後に「ヒノキアスナロ(ヒバ)」という表現が登場し、ここではヒノキアスナロの別名だと判明する。

ヒノキアスナロ アスナロ Thujopsis dolabrata Sieb. et Zucc. の変種品種。 (これの説明には「ヒバ」という呼称は無い。)

以上ヒバという植物はなく、ヒノキ科ではあるものの3つの属にまたがる植物にヒバの呼称が使われていることが判った。 結局ヒバとは檜っぽい葉っぱの木以上のものではなかったのかも知れない。