Wilson の定理とは、素数 に対し が成り立つという初等整数論の定理である。
これが重要な定理ということは特にないと思うのだが、大体の教科書に載っている。
証明にはフェルマーの小定理を使ったり原始根を使ったりすることが多い。
しかし、そんな道具立ては解り易くないと思うのだ。
少し一般的な次のことを証明する (Gauss の一般化と呼ばれているようだ):
を 以上の整数とするとき、 が成り立つ。
ただし、 は の平方根の個数の半分。
(証明)
は群なので、各元に逆元が存在する。
自分自身が逆元である元以外は、 と が別々に存在して だから積に寄与しない。
自分自身が逆元である元とは ということなので、 の平方根である。
このような元 に対し、 も同様に を満たす。
は 以上と仮定したので、 と は等しくない。
この二つの元の積を考えると、 である。
の平方根を 個ずつ組にしたので、 を の平方根の個数の半分として
が成り立つ。
(証明終わり)
元の形の Wilson の定理は、奇素数 に関しては として上の命題を適用すれば が体だから の解は 以外にないことから従い、 の場合は なので成り立つことが判る。
さて残りは の平方根の個数を確定すれば話が完結するが、これは を巡回群の直積で書いたときの直積因子の個数を とおくと、 となる。
したがって、素数以外には の時だけ右辺が になる。
ちなみにこの右辺の値の数列がA103131としてOEISに登録されている、といった情報がMathWorldに書いてあった。