ちょっと特殊な因数分解の話。 知っている人にとっては何ら目新しい話ではないのだが、日本語の情報をほとんど見掛けないので書いてみる。
たとえば、こういうぱっと見には不思議な因数分解である:
因数分解できると言われてみれば確かに、
それを踏まえて振り返ってみると、左辺は実は
円分多項式はこのブログ頻出だが一応おさらいしておく。
話を戻すと、Aurifeuillian 因数分解と呼ばれるものは、円分多項式に特別な数を代入したときに現れる因数分解なのである。
今後代入される数は
要点はこうである。
有理数体に
この
かつ が奇数 かつ が でちょうど1回割り切れる が偶数でかつ が でちょうど2回割り切れる
一番下の条件が最初に出した
具体的な因数分解の様子は参考文献の Prime Wiki が詳しい。
注
- 読み方はおそらく Aurifeuille はオリフュイユ、形容詞形の Aurifeuillian はオーリフュリアン(←英語風。または仏語風にオリフュイヤン?)(2)。
- 形容詞形は Aurifeuillean とも書く。
- Euler が Goldbach に宛てた手紙の中でこの形に一般化された因数分解に言及していたようだ。Aurifeuille より歴史的には古い。
参考文献
- Aurifeuillian factorizations (OEIS wiki)
- Aurifeuillean factorization (MathWorld)
- Aurifeuillian factor (Prime Wiki)
- B. Allombert, K. Belabas "Practical Aurifeuillian factorization" Journal de Théorie des Nombres de Bordeaux 20 (2008)
- P. Stevenhagen "On Aurifeuillian factorizations" Indagationes Mathematicae 90 (4) (1987)