を二つの部分集合に分割したとき、その積が一致することはない。
では にも同様に積が一致するような分割はないと証明できるか、というのがツイッターで流れてきたので考えてみた。
まず の場合を振り返っておこう。
二つの部分集合に分割して積が一致するならば、全体の積 は平方数である。
の場合はこれが無理なことは明らかなので、 とする。
ところで と の間に素数が一つ以上存在する(いわゆるベルトランの仮説)のでその一つを とおく。
の倍数は の中で 自身のみだから、積 は でちょうど1回しか割り切れないので平方数ではない。
したがって積が一致するような分割は存在しない。
次に の場合を考える。
( という記号はここだけの記号である。)
二つの部分集合に分割して積が一致するならば、全体の積 は平方数であるというところまでは同じである。
多分平方数にならないとは思うが、それを一気に考えるのは難しい。
簡単なところから考えると、 であるから明らかに分割できない。
の場合、 で割り切れる回数はそれぞれ 0, 0, 1 回だから、全体の積は 1 回しか で割り切れず平方数でない。
少し一般化する。
を素数とすると 全体の積は で 1 回しか割り切れないので平方数でない。
よって、 は積が一致するような分割を持たない。
同じように割り切る回数を数えることで次のことも判る。
奇素数 に対し、 は積が一致するような分割を持たない。
実際、数えてみれば全体の積は で 回割り切れるが は奇数である。
と、ここまではすぐに考えたが、実際は別の方向に考えた方が良かったのである。
全体の積 をもう少し別の角度から眺めよう。
イメージとしては、 という列を並べた三角形を、 の冪という行に分ける。
が奇数の時、 から偶数 について と奇数 について が平方因子として取り除けて、
の代わりに残った奇数の積 が平方数かどうかを考えれば良い。
これは再びベルトランの仮説の出番で、 とすると と の間に奇素数が一つ以上存在し、
これを とおくと は でちょうど1回しか割り切れないので平方数でない。
したがって積が一致するような の分割は存在しない。
が偶数の時も同様の議論で、 が平方数かどうかの議論をすれば良く、
三度ベルトランの仮説から(偶数の二重階乗なので各数を半分にして) と の間に奇素数が存在することが言えて平方数でないと示せる。
結局積が一致するような の分割は存在しないことがわかる。
まとめると、 以上の任意の整数 に対し は積が一致するような二つの部分集合への分割を持たない。