日本最古の物語といわれる古典。
昼食時にときどき馬鹿話のネタになっているのだが、はじまりは映画の「かぐや姫の物語」の話をしていたときに、
「でも、あれって不死の薬を捨てに行った山だから『富士山』と呼ばれるようになったっていうのが大オチだよね」
「だれが?」
「おじいさんとおばあさん?」
と曖昧な記憶のまま話をしてしまったところからだった。
考えてみれば、おじいさんとおばあさんは薬も飲まずに臥せってしまったような記憶もあり、都から富士山まで旅するおじいさんおばあさんというのも不自然なのだった。
というわけで改めて読み直す。 というか断片的にではなく読み通すのは初めてかも。
1冊目:
原文 竹取物語 [kindle]
原文とあるが、やたら漢字に直してあって振り仮名もないため、非常に読みにくい。
「婚ふ」が「あう」と読むなんて、まず判らない。
踊り字も奇妙な感じに変換されて、まあお勧めはできない。
2冊目:
和田万吉「竹取物語」 [kindle]
これは青空文庫に収められているものなので、kindle でなくても読める。
ただし、これは現代語訳のダイジェスト。
せっかく燕の巣に上った努力もかいなく終わった、という冗談が通じなくて竹取物語を読んだと言えるだろうか。
まあ、昔話としてのかぐや姫の話を知りたいだけならこれでもいい。
3冊目:
現代語訳 竹取物語・伊勢物語
結局紙の本を手にとってしまった。
現代語部分も参照しつつ、本文を読む。
1冊目の「婚ふ」となっていた部分は「あふ」と仮名書きになっていて、だいたい思った通りの原文。
最後に、本ではないが、古本 竹取物語 〈新井信之旧蔵『竹取物語』校訂本文〉 というのが Google 検索で上位にあって、ちょっと違う本文を目にすることができる。
というような何個かを読んで、5人の求婚者の後に帝に言い寄られる部分があるのを認識したし、その中で影のようになって帝から身を躱すという特殊能力を発揮していることも知った。 おじいさんの年齢が、かぐや姫に結婚をせっつくときは70歳と自称していたのに、それから20年養育していたと主張する(そんなに時間が経っている計算にはならないように思うが)別れの場面では50歳ぐらいなのに老けて見えたと書かれていて全く一貫性がないのが、地味に気になる。 そして、かぐや姫が不死の薬を渡した相手は帝で(おじいさんおばあさんには舐めかけを渡そうとして阻止されたのに、帝には壺ごと取り次いでもらえるのはどういう訳だろう)、捨てに行ったのは帝の遣いと兵士たちだった。
不死の薬を焼いた煙が立ちのぼっているという記述は富士山が噴火していることを表現したものだったのだろうか。
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