インドの言葉 "jya-ardha" (高さ)が似た発音のアラビア語 "jiba" になり、母音を省いて "jb" のように書く習慣から "jaib" (胸)と混同されてラテン語では "sinus" (胸)に化け、それが今のサイン "sin" のもとだそうです
野﨑昭弘「算数・数学24の真珠」日本評論社 2012
jyā は弦を意味する言葉であり、もともとは半弦を意味する jyā-ardha が使われていたがそれが省略されて jyā が使われるようになったと考えられている。用語 jyā はアラビア語訳されるときにそのまま発音を写して jiba と訳されたが、アラビア語では母音が記されないため jiba と jaib とは同じ綴りとなりいつのまにか「湾」を意味する jaib が使われるようになった。そのためアラビア語の著作がラテン語訳されるときに湾を意味する sinus が使われ、そこから今日の sine が誕生した
上野健爾「円周率が歩んだ道」岩波書店 2013
胸と湾が同じ単語?
両方の意味がちゃんと載っていた。 アラビア語の jaib の意味を調べないとどちらの説が正しいのか(あるいはラテン語同様広い意味をカバーする言葉でどちらも正解か)不明である。sin·us,-ūs m indentation, curve, fold, hollow; fold of toga about the breast, pocket, purse; breast, bosom, lap; bay, gulf, lagoon; winding coast; valley, hollow; heart (e.g., of a city), interior; intimacy
John C. Traupman, Ph.D., The New College Latin and English Dictionary, third edition, Bantam books 2007
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