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爬虫類はだいたい絶滅危惧種

都道府県レベルで指定されている絶滅危惧種というのがあって、その地域で見られなくなりつつある生物が指定されている。 池の水を抜いてみるテレビ番組でよく言及されていたりするので、そういうリストの存在は知っていたが、ウェブ上で見ることができるのは知らなかった。 東京都の場合 レッドデータブック東京 というサイトで調べることができる。 爬虫類を普段の生活の中で見掛ける機会がそう多くない地域に住んでいるのは確かだが、見ないわけではない。 その見ないわけではない種がことごとく絶滅危惧種に指定されていたのを初めて知った。 まずはヤモリ。 学名 Gekko japonicus、和名はニホンヤモリ。 家の壁とか窓とかに主に夜見ることが多いが、東京都区部では絶滅危惧 II 類に分類されている。 ついでカナヘビ。 学名 Takydromus tachydromoides、和名ニホンカナヘビ。 庭木などの上で日向ぼっこしていたり草むらを歩いていたりするかわいい顔をした細長いトカゲだが、これも区部では絶滅危惧 II 類に分類されている。 トカゲ。 学名 Plestiodon japonicus、和名ニホントカゲ、という扱い(ヒガシニホントカゲとはしていない)。 カナヘビよりややずんぐりしていてテカテカしている、若い個体は青っぽい、トカゲ。 これは区部ではよりランクの高い絶滅危惧 I 類に分類されている。 これらトカゲ類が絶滅危惧種としてリストされているなら、当然それ以上に見る機会の滅多にないヘビ類は当然絶滅危惧 I 類だ。 と思いきや、アオダイショウはもう少しランクの低い準絶滅危惧だった。 意外にいるところにはいるのか? 一方、その他のシマヘビ、マムシなどは区部では予想通り絶滅危惧 I 類だ。 そういうわけで、東京都区部の爬虫類はだいたい絶滅危惧種、という状況を知ることができた。 その他の県の状況は 日本のレッドデータ検索システム などから調べることができる。

「函数」音訳説について探してみる (まとめ)

これは 「函数」音訳説について探してみる 「函数」音訳説について探してみる (辞書編) の続きになるので、まずはそちらを読んでもらえると解りやすいと思う。 ざっくり言うと、函数は function の中国における音訳、という俗説( 「函数」が音訳というデマと、本当の語源 参照)の起源を求めて、できるだけ古い言及を探そうというクエストの記録。 先に結論から言うと、遠山啓「キュート数学I」(1967)ついで「角川新字源」(1968)という1960年代末発行の二つが見つかった。 遠山啓 既に「関数を考える」(1972)と「数学は変貌する」(1971)は見つけていたが、さらに古いものが見つかった。 「キュート数学I」(1967)だ。 元は三省堂から出版されたもののよう(実物は見ていない)だが、二度形態を変えて再度刊行されている。 一つめが太郎次郎社の遠山啓著作集シリーズの「数学教育論11 数楽への招待I」(1981)、 もう一つがソフトバンククリエイティブの「基礎からわかる数学入門」(2013)だ。 先生●それには歴史的な事情があるのだ. ヨーロッパの数学が中国に伝えられたとき, function は「函数」と訳された. 中国語ではやはり function の意味をもっているが, 同時に音も似ているらしい. それがそのまま日本に伝えられ, 「函数」となり, 「函」が当用漢字にないので, それがさらに「関数」になったわけだ. 引用は「基礎からわかる数学入門」によるが、「数楽への招待I」でも約物の違いぐらいで内容は変わらない。 角川新字源 既に辞書編で書いたように、新字源は1968年の初版から音訳説を採っていると思われる。 若干の歯切れの悪さは、Google Books にある1978年発行のもののスキャンより古い時代のものを当たった訳ではないので、 細かい修正の一部として書き直された可能性が捨てきれないことによる。 (スキャンでない現物は近所の古本屋で1989年発行のものだけは見ることができ、1978年のものと同じ文言だった。) その他 「広辞苑」は辞書編で第五版(1999)まで遡ったが、その後第四版(1991)も「函数」の項で音訳説を紹介しつつ「関数」に飛ばす、という同じ内容であることを確認した。 期待して第三版(1983)を調べたら、こちらは音訳説無し...