スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

2015の投稿を表示しています

L(5,5) の対称鎖分解

L(m,n) の対称鎖分解とは、 m×n の長方形に入るヤング図形に包含関係で順序を入れた半順序集合のランクに関して対称な鎖への分解のことです。 任意の m,n についてこのような分解ができるだろうという、1980年頃出された予想があります。 L(3,n)L(4,n) は分解できることが知られており、また mn を入れ替えても同じ結果になることが簡単にわかるので、 分解が知られていない最小の (m,n) の組は (5,5) です。 (「知られていない」とは書いたものの、多分分解してみた人はいると思います。) 分解例 を Google スプレッドシートで公開しておきます。 ちょっと読みにくいかもしれないですが、高々5桁で各桁5以下の数字が並んでいるものをヤング図形として読んで下さい。 縦の列が対称鎖です。 色の付いている部分は、その下の2列に共通の接頭・接尾部分です(つまりどちらに繋げてもいいけどとりあえず左側に繋げてある)。 そして、その色つきの要素以外の部分は(右上と左下などの組を見れば)互いに長方形の中で相補的なヤング図形でできあがっています。 こういう組を抗鎖(counter chain)対と呼ぶことにします。 上下に色つきの部分がない列(=対称鎖)が2本ありますが、これらは自分自身に対して抗鎖(自己抗鎖)です。 ということで、この対称鎖分解は全て抗鎖対か自己抗鎖ですので、対称抗鎖分解と呼ぶことにします。 特に根拠は無いですが、任意の m,n について対称抗鎖分解ができるだろう、と思っています。

"馬橋道"とは何だったのか

その昔、自転車日記というシリーズの中で 馬橋道(じゃないな多分) という文を書いたことがある。 "馬橋道"と呼ばれる道の延長がどこを目指すのか判らないというネタだった。 そもそもこの"馬橋道"という呼び名は近所に立っていた史跡案内的な看板に現れていたから使ってみたのだが…。 時は経ち、某ゲームに興じるうちにその看板辺りにも良く行くようになって、もう一度"馬橋道"を調べてみようと思った。 まずは基礎資料1、その看板の内容である。 石塔の南側の道路は、五日市街道の旧道で通称「白幡の坂」、西側の道路は「馬橋みち」といわれた古い道で、共に急坂な難所の一つでした。 杉並区教育委員会 文化財案内標示板「民間信仰石塔 (成田東三丁目)」 さて、教育委員会は何の資料に基づいてこれを書いたのか、と考えて図書館の郷土資料コーナーで繙いてみた。 基礎資料2「杉並風土記」。 角地の西側の道路は、江戸時代からあった古道で鎌倉みちと呼ばれ、府中が武蔵国の中心であったころには、阿佐ヶ谷村、練馬村方面の人たちが年貢米を府中の役所へ納めに通った道です。 南側の道路は、五日市街道の旧道で、大正十年に尾崎橋から真っすぐな現在の道ができるまでは、「白幡の坂」と呼ばれた急坂でした。吉祥寺、大宮前、久我山方面のお百姓さんが、東京への往復に、野菜や下肥を積んだ重い手車をひいて、この急坂の上り下りにずいぶん苦労し泣かされたそうです。 森泰樹「杉並風土記 上巻」杉並郷土史会(昭和52年) p.373「白幡のお地蔵様」 "馬橋"ではなく、"鎌倉"だった! 尾崎橋を越えた西側の成田西児童館から南に向かう道がこの辺りでは"鎌倉街道"と呼ばれているので、難所の尾崎橋(参考: 旧五日市街道の難所「尾崎の七曲り」 )を五日市街道と共有していたという話で辻褄は合うように思う。 そして阿佐ヶ谷・練馬方面への接続を考えると、成田図書館付近で阿佐ヶ谷から大宮八幡の方へ抜ける道と合流すると考えられる。 局所的に切り取れば馬橋道と呼んでもいいのかもしれないけど、鎌倉道と呼ぶのだとの説はだいぶ説得力がある。

寒さに強いやつだけが生き残る

雪の中を裸の男たちが神輿を担いで練り歩くような祭を、馬鹿なことをするとだけ思っていた。 が、最近、あれには生物学的な意味があるんじゃないかと思い始めた。 要するに、寒さに弱いやつは子孫を残せないような社会的圧力を形成することで、寒さに強い集団を維持する。 ということでああいう冬場に裸で行う祭の地理的分布は寒い地方に偏るのではないかという仮説を思いついたが検証する気は全くない。

アラビアータと狂犬病

皆さんご存知のアラビアータ。 トマトソースにトウガラシを大量に投入した辛めの味付け。 アラビアータという名前がアラビア風ではなくて怒りだという豆知識はそこそこ知られているようだ。 綴りは arrabbiata なので、より正しくはアッラッビアータという発音になる。 arrabbiata は動詞 arrabbiare から派生した名詞形だ。 意外なことに辞書の最初に出てくる意味は怒るではない。 vi (aus essere) (cane) → to be affected with rabies (persona) far arrabbiare → to make sb angry (arrabbiarsi) vip → to get angry, fly into a rage the free dictionary (Collins Italian Dictionary 1st Edition © HarperCollins Publishers 1995) 英語で rabies というのは狂犬病のことである。 つまり arrabbiare の第一義は(犬が)狂犬病に罹るという意味だったのだ。 イタリア語に戻ると狂犬病が rabbia なので、arrabbiare は多分 ad + rabbia + are に分解して理解すればいいのだろう。 食べ物の名前に狂犬病が潜んでいようとは。

use.mask でマスクされた USE フラグをアンマスクするには

何かの都合で、パッケージの必要な USE フラグがマスクされていることがある。 たとえば現在 prefix 上で各種 LISP のフラグがマスクされてしまっている。 どこでそんなことにされてしまっているかというと、$EPREFIX/usr/portage/profile/base/use.mask だ。 # Andrey Grozin (25 Jun 2014) # These lisps are available only on some arches clisp clozurecl cmucl ecls gcl sbcl ありがたい設定だね、まったく。 というわけで、このマスクを外したい。 たとえば、sci-mathematics/maxima をインストールしたいのに sbcl フラグがマスクされているから、LISP 処理系として SBCL が選べない状況だったりするのは、実際に dev-lisp/sbcl パッケージがキーワード付けされて存在する以上おかしい。 方法は、最初 use.unmask ファイルみたいなものがあるかと思ったのだが調べてみるとそうではなくて、use.mask に - 付きで USE フラグを書く。 二重否定みたいで少し解りづらいが、 man 5 portage にそう書いてある。 つまり先程の sbcl を例にとるとこうだ。 # sbcl フラグのマスクを外す -sbcl 自分で設定する use.mask は当然 $EPREFIX/etc/portage/profile に置く。

杉並区内の金太郎

最近某ゲームのために杉並区内を歩き回っている。 それでふと気になったのだが、遊歩道の金太郎が減っていないか? と、杉並区民にしか解らない振りで始めてしまったので、一応区外の人向けに説明しておくと、 杉並区内の古い小川もしくは用水路などを暗渠化したような小道が遊歩道として整備された際、 その車止めの柵として金太郎のイラストの付いた柵が立てられるものだと思っていたのだが、 最近取り替えられたような柵にはそれが見当たらないので、このままでは絶滅するのではないかと思った、という話。 まあ、百聞は一見にしかず、ということで、写真を並べてみよう。 撮影場所は今川、梅里、上井草、下高井戸、成田西など。 どれがどこかは……、EXIF とか見ればいいよね。 どれも薄汚れて、新しいものはないことが見て取れる。 このまま無くなってしまうのか、今後の金太郎の運命に注目しておこう。

2015年

本年も相変わらずのペースだと思いますがよろしくお付き合いのほどを。