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円分体って名前がそもそもどうなんだ

有限巡回群の群環の自己同型群およびその部分群による不変部分環を考えてみたい。 まずは実例から。 適度な複雑さがあった方が良いので、7次巡回群 C7 を考えよう。 生成元を g として、乗法的に書くことにする。 自己同型群 Aut(C7)(Z/7Z)× なのだが、Γ7 と書くことにしよう。 Γ7 は群環 QC7 にも自然に作用しているので、不変部分環 QC7Γ7 を考えることができる。 この中には生成元 gΓ7-軌道の和、すなわち g+g2+g3+g4+g5+g6 が入る。 そしてこの元(の多項式)以外のΓ7-不変な元はないので、QC7Γ7=Q[g+g2+g3+g4+g5+g6] だと言って良い。 以降 g+g2+g3+g4+g5+g6Ω と表すことにする。 Ω2 を計算してみよう gΩ=Ω+1g g2Ω=g(Ω+1g)=Ω+1g2 等々なので Ω2=6Ω+6gg2g6=5Ω+6 つまり Ω は2次方程式 X25X6=0 を満たす。 ところがこの方程式の解は 16 であり、どちらも整数、ということは有理数体に入ってしまう。 つまり、Q[Ω]=Q であった。 Ω の値としてどちらを選ぶかが重要であることはこれからの計算で解るだろう。 次は部分群について考えてみる。 Γ7 の部分群は 2 で...