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L(5,5) の対称鎖分解

L(m,n) の対称鎖分解とは、 m×n の長方形に入るヤング図形に包含関係で順序を入れた半順序集合のランクに関して対称な鎖への分解のことです。 任意の m,n についてこのような分解ができるだろうという、1980年頃出された予想があります。 L(3,n)L(4,n) は分解できることが知られており、また mn を入れ替えても同じ結果になることが簡単にわかるので、 分解が知られていない最小の (m,n) の組は (5,5) です。 (「知られていない」とは書いたものの、多分分解してみた人はいると思います。) 分解例 を Google スプレッドシートで公開しておきます。 ちょっと読みにくいかもしれないですが、高々5桁で各桁5以下の数字が並んでいるものをヤング図形として読んで下さい。 縦の列が対称鎖です。 色の付いている部分は、その下の2列に共通の接頭・接尾部分です(つまりどちらに繋げてもいいけどとりあえず左側に繋げてある)。 そして、その色つきの要素以外の部分は(右上と左下などの組を見れば)互いに長方形の中で相補的なヤング図形でできあがっています。 こういう組を抗鎖(counter chain)対と呼ぶことにします。 上下に色つきの部分がない列(=対称鎖)が2本ありますが、これらは自分自身に対して抗鎖(自己抗鎖)です。 ということで、この対称鎖分解は全て抗鎖対か自己抗鎖ですので、対称抗鎖分解と呼ぶことにします。 特に根拠は無いですが、任意の m,n について対称抗鎖分解ができるだろう、と思っています。