その昔、円分多項式に整数を代入したとき素冪が出てくることがあるのか、というようなことを考えたことがある。 その時は、円分多項式 に対し素数 と原始 乗根 を固定して、 から始まる 進 乗根の展開に が沢山続くと…。 詳細は忘れたが、まあ不都合が発生するということになっていたはずである。 というようなわけで、 進展開を計算させてみた記憶がある。 最近 ABC予想入門 という新書を読んだので、それをこの素冪の問題に応用してみようと思う。 abc予想: 任意の に対して, ある正の定数 が存在して, 次を満たす: , , が互いに素な整数で を満たすならば, 不等式 \[\max \{|a|, |b|, |c|\} , を素数として、 だったとする。 式を書き直すと となるので、 , , として、 予想の前提を満たす。 よって、予想を仮定すれば \[\max \{x^q, 1, (x-1)p^n\} 一方左辺をより小さくして として評価すると、 \[p^{n -1 -\epsilon} 今 、 とすると、 \[x^{q-5/2} 11/2\) ならば が十分大きいときに成り立たなくなる。 つまり、abc 予想が成り立てば、各素数 に対し が2次以上の素冪になるような は有限個しかない。 またその上限は と abc 予想の定数 で決まる。 実に強力な予想である。