変数集合を とする。 適当な環 をとり、多項式環 を考える。 この中の2次斉次多項式、つまり2次形式をグラフということにする。 はもちろん頂点集合と考える。 のとき、積 をグラフ の辺といい、頂点 と は隣接するという。 辺 をループと呼ぶ。 が の真部分集合 上の多項式環 に含まれないとき、 を の位数という。 ここで一つ注意として、 は一番簡単な設定では にしか値をとらないので整数と考えればいいが、 辺に何らかの値を持たせる (「2本ある」とか「容量が2.5」とか)必要があるときに の値としてコード化する役割を担うため、 係数環 の選択の余地を残してある。 これは係数 2 を重複した辺の本数と思うか、割り振られた容量が 2 と思うかは解釈次第だし、 両方の情報を盛り込みたいと思ったら、係数も多項式環みたいなものを使って分けて考えるようにするのは自分の責任ですよ、という割り切りを意味している。 手始めに彩色数を考えてみる。 頂点に色を塗るのだが、隣接する頂点には別の色を塗らなければいけないという制約を付けるとき最低限必要な色数のこと。 係数環は で良い。 色の集合 を という集合とする( はパラメータ)。 の各頂点 に色 を対応させると、自然に多項式環の準同型 が定まる。 気付けば像もグラフになっている。 先程の「隣接する頂点には別の色」というのは、辺の像がループにならないということだ。 実は彩色数とは"グラフの準同型写像"でループができない最小...